イールームの法則(Eroom's Law)
Published by 松原幸行,
「イールームの法則」というのがあります(1)。鈍化の経験則とも言われているようです。製薬業界では、新薬の研究開発への投資がどんどん増えており、その巨額の投資の割にリターン(得られる新薬の数)が少なくなっているそうです。ムーアの法則のMooreを逆にした言葉です。製造業には、そのような法則を無視して、手間をかけずにリターンを得ようとする傾向もあります。「箱物」で成功したビジネスでは、その成功体験からなかなか離れられず、大きな路線変更ができません。路線変更には、ビジョンを変えると共に、人員構成や採用する技術も変える必要が出てきます。ガソリンエンジンの自動車から電気自動車への変換に代表されるような「シフト」です。このように、大きな投資無くしては、確かなリターンが得られないのです。投資を避けて成功体験にしがみついているとその結果「混迷するモノづくり」といった状態になります。つまり、何を造れば良いのだろうかというジレンマを抱えつつ、モノづくりの難しさに極まったような状態です。そして時として、技術は凄いけど何に使うのかよくわからないような製品が生み出されます(2)(3)。
(画像出典:Creative Commons at Flickr:http://u0u1.net/FBxJ)
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参考:
(1) 製薬企業の生産性減衰、イールームの法則を診断するCDDO提案
http://medicinalchemistry.blog120.fc2.com/blog-entry-753.html
(2) COMPUTEX出展中のBluetoothスピーカーあれこれ http://gigazine.net/news/20160602-levelone-speaker-ct2016/
(3) 宙に浮かぶスピーカー http://gigazine.net/news/20150304-air-speaker/