直ぐやれる人 やれない人

何かしなければならない時、直ぐやれる人とやれない人がいる。理由はともかく、何故そうなのかを考えた。直ぐやれないとはどういうことなのか…。

一つのヒントは脳科学である。脳の側頭葉の内側にある扁桃体は感情を司る機関だから、情動反応の処理と記憶において主要な役割を持つ[1]。

扁桃体が大きい人は結果を心配する。そのため恐れを回避する行動(=現状維持)を好むことになる。だから直ぐやれず、やるべきことを先延ばしにするのだ。つまり、扁桃体が大きくなると直ぐやれなくなる。

ヘビを見た時は「ヘビだ!」と意識が気づくより早く、映像が目に飛び込んでわずか40ミリ秒後には、扁桃体が興奮している。扁桃体はそれほど敏感なわけだ。興奮を押さえるには「マインドフルネス瞑想」を行い、一呼吸置くと良い[2]。

もう一つのヒントはライフスタイルである。良く睡眠を取った後の午前中は頭もスッキリしており、仕事の能率が上がる。Appleのティムクック氏は3:45(4:30という説もある)、スターバックスのCEOマークパーカー氏は4:30に起床するそうである[3]。他にも多くのCEOが早起きである。朝は意思の供給が高まる時間なのだそうだ。この時間帯にやるべき仕事をやらない手はない。

このように、午前中は産性の高い時間帯なので、朝一番に気が重い仕事を済ませてしまうと、残りの一日が気楽になる[4]。いきなり重たい仕事に取りかかるのは気が引けるという人は、小さいゴールに分解して一つづつクリアしていくとよい[5]。やるべきことはどこまでいってもやるべきことなのである。

ちなみに、このコラムを書いている中でちょっと調べたら、『〈図解〉 「すぐやる人」と「やれない人」の習慣』(著:塚本 亮、明日香出版社、2018)という本があるようなので、興味のある方は読んでみてはいかがであろうか[6]。


Nokia Networks, Munich office by Martin Falbisoner - Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=58275054

参考情報
[1] 「扁桃体とは」> https://ja.wikipedia.org/wiki/扁桃体
[2] 「緊急な仕事に惑わされず 重要な仕事をやる」> https://hideyuki-matsubara.postach.io/post/jin-ji-nashi-shi-nihuo-wasarezu-zhong-yao-nashi-shi-woyaru
[3] 「起床は3時45分! ティム・クック氏の毎日」> https://www.businessinsider.jp/post-104910
[4] 「もっともイヤな仕事は朝イチで片付ける」という生産性向上術」> https://www.lifehacker.jp/2010/04/100330startworsttask.html
[5] 「小さな問」> https://hideyuki-matsubara.postach.io/post/xiao-sanawen
[6] 『〈図解〉 「すぐやる人」と「やれない人」の習慣』(著:塚本 亮、明日香出版社、2018)> https://www.amazon.co.jp/%E3%80%88図解〉-「すぐやる人」と「やれない人」の習慣-アスカビジネス-塚本-亮/dp/4756919960/ref=pd_lpo_sbs_14_t_0?_encoding=UTF8&psc=1&refRID=7PXRFVXP4P50KKXXHZ4P