アイディアのひらめきとブレイク

 ひらめきについて、NHKスペシャル 「人体」 第5集「脳すごいぞ!ひらめきと記憶の正体」で取り上げていました(1)。
8分間何も考えない時間を持つと、ひらめき時と同じ様な脳派パターンとなるとのことです。つまり、発想している合間に、意図的に8分間のブレイクを取ると良い様です。但し、ブレイクと言っても、雑談したりゲームをしたりしてはダメです。あくまでも無の境地になる。無心の時を過ごすのです。

 マサチューセッツ大学のRebecca Spencerは、ノートPCの購入検討を想定し、当日内と一昼夜経た朝までの2通りの時間差で、記憶の関係について実験しました。実験の結果、一夜経た被験者の方が、より批判的な評価をしたそうです(2,3)。これから言えるのは、『睡眠という時間を置くことで、気に入らない部分の記憶がより鮮明に残った』事を意味しています。ひらめきとは若干異なりますが、時間を置くことが脳に与える影響が分かります。

 一方、『なかなか考えがまとまらない時に、外を歩いていると良いアイディアが突然浮か』とひらめきに近いようなこともあります(4)。これは、歩くことで脳へも酸素がたくさん供給され、脳細胞間の新しい連結を増やし、ニューロンの成長を刺激したりニューロン間での信号のやり取りを活性化することが大きな要因ですが、ボーっと周囲を見て外部刺激がたくさん入って来ることも大きいと思います。Steven "Steve" Jobsは、何か重要な話をする時や考えをまとめる時に、よく公園や道路などを散歩していたそうです。ちなみに、記憶力でも、左右脳間の情報伝達という意味でも、女性の方が優位です(5)。

 アイディア出しに、ブレイクが重要な事は明らかですが、会議室など無味乾燥とした場所でブレイクするよりは、刺激の多い街中や賑やかな公園などをブラブラ歩けると良いと思います。そのような点も留意し、アイディア合宿の場所を選んでは如何でしょう。会議室から出て、公園などでアイディア出しを行う「アイディア・キャンプ」などもありますよね(6)。


("アイデアキャンプ"ページより引用(http://www.ideacamp.jp/whats_idea_camp

参考:
(1) NHKスペシャル 「人体」第5集「脳すごいぞ!ひらめきと記憶の正体」 2/4放送 http://amba.to/2EOvENr
(2) 嫌なことは寝て忘れも忘れない https://blogs.yahoo.co.jp/ssseki724/66100579.html
(3) "Sleeping on It" Doesn’t Lead to Better Decisions https://hbr.org/2016/05/sleeping-on-it-doesnt-lead-to-better-decisions
(4) なぜ歩きながらだと考えがうまくまとまるのか? http://bit.ly/2GpzidH
(5) 三気力コラム「男性脳と女性脳2」 http://bit.ly/2GsJOB9
(6) お薦めアイディアキャンプ場 http://www.ideacamp.jp/openpublicspace