出雲というところ

 松江商工会議所から経営相談員向け研修の講師依頼があり出雲に行ったので少しお話しする。出雲は出雲大社で有名な神宿る街である。大社の建築様式は「大社造」といい他の神社とは異なり独特なものである。建造当時は東大寺の46mを上回り高さ47mであったとされ、日本で最も高い建造物だったそうである。平面図を見ると、田の字構造になっており、社殿の中央に心の太柱が配され、垂木を支える。田の字であるので、開口部(入り口)は妻の中央から右に外れた1か所にしかない。その右から入ると正面に衝立があり、左、右、右と回ると祀られているオオクニヌシノミコトに出会える。つまりオオクニヌシノミコトは入り口から見ると左の方角(西)を向いているらしい。大社の東隣にある松江歴史博物館が槇文彦設計という事で寄ってみた。そこに旧大社の1/4模型がある。柱の遺跡などもあり興味深い。出雲の街は簡素で上品な印象であった。一畑電鉄大社線にも乗ってみた。単線の二両連結の電車で味わいがある。大正時代の面影を残す旧大社駅、出雲名物の割子そばなど、半日ほどのフリータイムであったが、出雲の街を堪能した。

 肝心の研修であるが、生徒さんは経営相談員の方々でHCDについてはほとんどの人が初耳である。30人中1人の方がHCDという言葉に興味があり参加したと言っていた。内容は、HCDの概論から入りインタビューの具体的なやり方をロールプレイングなどを交えながら解説した。一日研修しても即HCDが回せるようにな訳ではないが、相談員として中小企業の経営に携わる方々を中心に据た取り組みというい点で今後の活動に生かしてもらえればありがたい。今後も機会があればモノづくり以外にもHCDが活かせるということを広めて行きたいと思う。


(画像:筆者撮影)