ComeとGo
Published by 松原幸行,
我々日本人は,中学時代に「comeは来る,goは行く」と教えられる.これは,しばしば混乱する解釈であり,間違えて使用することが多いので注意が必要である.
正しくは,comeは主題の対象に向かって行く時,goは離れて行く時である.話し相手の方に向かっていることを伝える時は “I’m coming." となる.一方,友達と別れて帰る時には “I’m going." を使う.「comeは来る,goは行く」と覚えると英語は上手くならない[1].これに準じた誤解は,まだ沢山ある.日本人が苦手と言われる「時制」,あるいは「seeとmeet」,「形容詞をカンマ(,)で列記する時のルール」などである.
時制の問題は文法だけにややこしいし分かりにくい.ポイントは「始めたタイミング」と「既に終わっているか否か」だと思う.
1. 過去にあったこと(過去形)
2. 過去に始まって 既に終わったこと(過去完了形)
3. 過去に始まって 現在も続いていること(現在完了形)
4. 現在のこと(現在形)
5. 未来のこと(未来形)
他に未来完了形などもあるが,滅多に使わないので,上の5つ覚えれば十分である.英語を覚え始めに "He have had..." や "He had had..." という表現に不思議な思いをしたが,前者は現在完了形,後者は過去完了形であり,よく使う表現である.例えば,(過去に)会議を行った,という場合は "He had had a meeting with Tom." などという.
seeとmeetはどちらも「会う」という意味を持つ."Nice to meet you." など,初めて会った時はmeetであり,2回目以降はseeを使う."Nice to meet you." は初めての時にしか使わないので,注意が必要である.ちなみに,2回目以降は “Good to see you." と言う[2].
名詞の前にいくつかの形容詞をカンマを使って並べる時の順番に悩む時がある.例えば,カメラを模して撮影機能用のアイコンで32ドットのものを3つ作った場合の表現.正解はこうである.
three, 32 dots, camera shape, photography icons
この順番には記載のルールがある.それは次のようなものである[3].
1. 数
2. 品質・意見・見解
3. サイズ
4. 年齢・年代
5. 形状
6. 色
7. 国籍・起源・材料
8. 目的
覚えるのは大変だが,ネイティブはこれに沿って言わないと違和感があるようだ.
ちなみに「good」 は「良い」ではなく「ほんの少し良い」である.上から目線に聞こえるらしい.「good idea」を目上の人に言うとムッとする場合がある.目上でなくても,涼しい顔で言うとバカにされたと思う人もいるので,注意が必要である.そういう時の無難な表現は,「great」を使って,"It’s a great idea!" と言おう.
話はそれるが,Yシャツの「Y」は胸元の形を表したものでは無く「white」がなまったものだ.「ワイシャツ」に相当する英語はない.「white shirt」以外は,「color shirt」とか「pin strip shirt」などである.日本語化したカタカナ語(japalish,ジャパリッシュと言う)は危ない危ない.
“no.filter.here"さんのインスタグラムより引用(https://www.instagram.com/p/BaIVr38BHms/?hl=ja&tagged=comeandgo)
参考情報
[1] 英語の「come」と「go」の違いと使い分け方のコツ https://eikaiwa.weblio.jp/column/phrases/vocabulary/difference_come_go
[2] seeとmeetの違い http://yamamoto-english.info/seeとmeetの違い/
[3] 英語ネイティブが違和感を感じない形容詞を並べる順番の法則 https://www.englishplus.jp/nuance/order-of-adjectives/