グループ・ポラリゼーション
Published by 松原幸行,
社会心理学用語に「ポラリゼーション(Poralyzation、ポラライゼーションとも発音する)」という言葉がある.分極化の事であるが,これを組織の集団で適用する場合には「グループ・ポラリゼーション」と言う.
集団での意見集約と意思決定は極端な方向に振れやすく,リスキーな選択をしてしまう傾向にあるという[1].これを「グループ・ポラリゼーション」と言う.「エコ」とか「グローバル」などが“マジックワード"となり,これらに対してNOとは言い難いので,リスキーな選択をしやすいことを指す.HCDなども一時その様な状況にあったが,これについてはリスキーな選択というよりも,“していないのにしていることにする"という厄介な傾向がみられた.つまり,安易なユーザー訪問やアンケート調査をして「HCDを実践している」と勘違いしてしまうようなことである.HCDを導入するのは既存の活動を改革するものでもあるので,既存の活動の域を出ていないのにHCD活動が出来ていると思い込むのは危険であり,HCDを都合よく解釈していることにもなる.
グループ・ポラリゼーションに陥らないためには,デザイン思考を実践するのがよい.デザイン思考は,保有技術力を踏まえた上で新たなビジネス価値の創出を目指す物なので,身の丈を超えたものにはならない筈である(超えているとすればデザイン思考を正しく実践していないことになる)[2].
マジックワードに振り回されそうだと感じた時こそ,デザイン思考プロセスを導入し,適切な解を導くよう努めるべきである.なお,このサービルドリブンな世の中でモノ(製品)の提案に固執することなども,グループ・ポラリゼーションの1つであることは否めない.
"gr_vg_3"さんのインスタグラムより引用(https://www.instagram.com/p/Bkr97CXhTfr/?taken-by=gr_vg_3)
参考情報
[1] 意思決定の集団極性化の社会心理学 http://net.keizaikai.co.jp/archives/4766
[2] デザイン思考の普及について一考 http://hideyuki-matsubara.postach.io/post/dezainsi-kao-nopu-ji-nitsuiteyi-kao