逆OJT

OJT(On-the-trainning)新人社員を上司や先輩が仕事を通じて育成することである.この逆,つまり下にいる者が上の者を良い上司や先輩に導くことを指して「逆OJT」と言う.特に直属の上司を対象に言う場合が多く,その上司のマネジメントを是正する場合なども該当する.

マネジメント方法は不動のものではなく,組織目標やメンバー構成などに合わせて調整されるべきものである.組織目標はマネージャーの専権事項であるからいかんともしがたいが(ただ目標達成にとって大事なことが考慮されていないことはたまにある),プロジェクトの運用や計画などについてはそうでもない.部下もどしどし意見を述べるべきだ.

よく世代間ギャップなどと言われコミュニケーションが上手くいかないこともある.特にEX(Employer eXperience,従業員経験)が言われる今日,上司の部下に寄り添う姿勢は重要である.そのあたりは意識している上司もたくさんいる.逆OJTはむしろ,部下からみて上司に対する「良いコミュニケーション」であるとも言える.

「上司の失態部下の恥じ」という言葉がある.上司がその上司を上手く説得できないとか,他部門の人に対して恥ずべき言動があるとか,そういう状況を回避する意味で,折衝している当事者(上司)ではない部下が客観的に判断できることもある.それを事前に(または現場で)助言できれば,もしかしたら折衝はスムーズにいくかもしれない.その様な状況を想定している.

または,OJTは教育であるから,部下が成長すれば,それは「なかなかやる若手」と評判になり,これと同時にその上司が適切に教育していることにもなる.つまり,周囲はその若手を指導している上司を「良くやっている」と認識する.部下の育成はマネーヤーの仕事だからである.仮に新人を放任していて,新人の積極的な行動により彼/彼女のアイディアが承認されたような場合は,上司の指導が良いということになる.これも上司の評価をあげるという意味で「逆OJT」と言える[1].まぁ,若い人はあまり上司の成長など気にせずに,大胆にチャレンジして欲しい.それが結果的に上司のためにもなる,ということであろう.少なくとも上司は,若手のチャレンジ に水を指したり統制したりするべきではない.

"kentarou_n"さんのインスタグラムより引用(https://www.instagram.com/p/BlIxh3PBkVk/?hl=ja&taken-by=kentarou_n

参考情報
[1] 掃きだめの鶴─新人からの逆OJT http://www.navigate-inc.co.jp/ojt/case/surprise/003185.html