ペーパープロトタイピング

 ペーパープロトタイピングは、手軽にできて開発者も分かりやすい紙製のプロトタイプを用いた検証方法である。画面フローなどは良く書くが、画面のアイディアは割と早い段階からPCで描き始めてしまう。デジタイザーを使うならともかく、マウスとキーボードによる作画はデザインの思考をステレオタイプ化する(1)。その意味で、スケッチブックとペンを使って思考するペーパープロトタイプ作りには、捨てがたいものがある。特にトレンドを変えたい場合などには有効であると言われる。ペーパープロトタイプとアクティング(寸劇)を組み合わせた「オズの魔法使い」という評価方法もある(2)。人が、ユーザー役、UI役、システム役などそれぞれを演じながら、サービス全体の様子を知るのが目的である。詳細な検討に入る前にこの様な方法で狙いや便益などを理解し共有化しておくと、後の詳細検討で迷いがなくなると言われている。以前お話しした米国のGUIデザイナーが選んだデザインツールベスト5の中にも「紙とエンピツ」がありましたね(3)。


(画像出典:Creative Commons at Flickr:http://u0u1.net/FByY)
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参考:
(1) 心理学から見るステレオタイプの良い所、悪い所 http://serendipity-japan.com/stereotype-psychology-852.html
(2) オズの魔法使い http://www.usablog.jp/2005/06/wizard-of-oz.html
(3) 三気力メールマガジンVol5参照:http://tools.subtraction.com/index.html