ポケモンGOとUX
Published by 松原幸行,
米ナイアンティック社が開発した「ポケモンGO」。。。瞬く間に反響を呼び、世界で新たな社会現象となっています。ARを利用した新たな体験としてゲームの域を超える感がありますね。ゆくゆくはビジネスのプラットフォームにもなり得るでしょう。と言いつつ反面、既にブームは終焉という話も出てきました(http://www.j-cast.com/2016/07/29273981.html, http://hbol.jp/103292)汗。どうもハイプサイクルがものすごい速さで進んでいるようです。このように色々騒がしい状況ですが、利用の有無を問わず、ポケモンGOを通じて、様々なエクスペリエンスを生み出しているのは間違いないところです。今回はその一端を見てみます。
・7/25の時点で、車などの運転中に「ポケモンGO」をしていたとして検挙された件数は全国で71件に上ったと警察庁(http://this.kiji.is/130252316372026873) ながら運転で事故36件とのニュースもある(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160725/k10010608291000.html) 一方、実は無免許運転を隠すための偽装だったとか..(http://www.gizmodo.jp/2016/07/post_664869.html)
・歩きスマホになりがちとのことで、崖から落ちたり交通事故にあったりと問題視されているが、視覚障害者との接触がより深刻に懸念されている(http://www.huffingtonpost.jp/2016/07/25/pokemon-go-nittento_n_11175976.html)
・歩きスマホについて注意を促す広告が溢れるであろう。だが肝心な時に注意広告を見ているかどうかは不明(http://www.sankei.com/affairs/news/160722/afr1607220015-n1.html)
・政府はガイドラインまで出している(http://www.gizmodo.jp/2016/07/go_4.html)
・経験の相乗効果の視点による問題点:例えば「ビールを飲みながら枝豆を食べる」と相乗効果で幸福感が増す、というように経験の相乗効果でより幸福感のある経験が得られる。ところが「歩きながらゲームをする」というのはそうではなく「最悪の組合せ」であるという。なぜそういうことになるかというと、理屈では理解できても自分だげは大丈夫と思うからとある。筑波大学でモビリティ・マネジメント(MM)を研究しているリスク工学の谷口准教授は、社会的な意味でのリスク概念と個人が抱くリスク概念には差があるという。例えば「車の事故と地震。どちらが怖いか」と聞いたとする。多くの人は「地震」と答えるという。ところが、現実の死亡・行方不明者数は、自動車事故による人数が戦後約60万人、地震による人数は約6万人である。圧倒的に自動車事故の方が多い。これを「リスク認知のギャップ」と言う(http://www.lij.jp/html/jli/jli_2014/2014winter_p046.pdf http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4482?page=1)
・怪獣ゲットでSNSアップした画像で自宅などが推測できてしまう。これは社会学的には「監視資本主義」であるとする説がある(http://www.huffingtonpost.jp/2016/07/25/pokemon-go-oliver-stone_n_11175022.html) 回避するためには公式サイトへアクセスして「ポケストップやジムの削除」をリクエストする必要がある。(http://www.huffingtonpost.jp/2016/07/25/pokemon-go-delete_n_11175136.html)
・子供にとって道端で虫を捕まえるような実体験がますます希薄になり有害極まりないとするネガティブな意見(やくみつる氏:http://www.huffingtonpost.jp/2016/07/25/yaku-talks-about-pokemon_n_11175370.html) これに対して「面白ければ何でもいい」とポジティグな意見(高須克弥氏:http://www.huffingtonpost.jp/2016/07/26/takasu-talks-about-pokemon_n_11191486.html) 共通点はどちらも短絡的という点。
・スマホの携帯充電器が売れているとのことで、ビジネス波及効果も大きいと思われる(http://wired.jp/2016/07/26/pokemon-go-business/)関連商品もたくさん出てきている(例: http://www.lifehacker.jp/2016/07/160727gizmodo_mediagene.html)
心配なのはよく落ちると言われる任天堂のサーバーである(http://gigazine.net/news/20160725-pokemon-go-server-status/)
・「私たちが思い描いた未来は、ポケモンGOだった?」と、ロジャー・ラビットなどと重ね合わせて懐古的な想いに浸る人(http://www.huffingtonpost.jp/cristian-martini-grimaldi/pokemon-go_b_11132402.html)
・ポケモンの最終ゴールは、ポケモン図鑑のコンプリートだそうだが(http://japanese.engadget.com/2016/07/22/pokemon-go-comp/)、それを乗り越えてフルタイムのポケモントレーナーになる、というキャリアパスもあるのであろうか(http://tabi-labo.com/272597/pokemon-go-3/)
これらから連想するのは、いよいよコベイランス(vol10参照)の世の中到来だな、ということ。また、顔認識のように個人情報そのものを認識し漏えいを防止するような技術は無いのか、というようなぼんやりしたアイディアなんですが。。。
(画像出典:Creative Commons at Flickr:http://u0u1.net/FBzc)