起業

 中小企業白書の「個人で事業を興しても、約40%が1年未満で脱落、3年目を超えて5年後まで継続できるのは25%、そして10年後まで生き残っている人は10%」という記事に驚きました(1)。昨今はビジネス環境が厳しいと思っていましたが、こんなに厳しいとは思いませんでした。確かにHCD界でも起業して上手くいかず、またサラリーマンに戻った人がいます。実際、コンスタントに案件を確保するのは大変だし、手を広げすぎても消化できなくなります。何か「差別化できる強いコンピタンス」でもあればそれが武器になりますが、それはそれでなかなか難しいでしょう。一方で、経済産業省の有識者研究会が3月10日、「フリーランスの働き方は、企業、働き手双方にとって有用な選択肢となる可能性がある」と起業を奨励する様な報告書案をまとめました(2)。これは最近のスタートアップ流行の動向を踏まえてのことなんでしょうか。スタートアップは、ノマドワークなど、その華やかな面が注目されていますが、実態は日々の糧を得るのに一苦労、という状況だと言えます。よほど強い信念と行動力が無いと成功しないでしょう。投資はできないし、営業活動も大変です。皆さんも、一時期の勢いやムードだけで大企業から離れたい、などとは考えない方が無難です。


(画像出典:"Startup Weekend Tokyo, 2009" f/ Creative Commons at Flickr http://ur0.link/DiCr)

(1) 中小企業白書(2016年度版) http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H28/PDF/h28_pdf_mokujityuu.html
(2) フリーランス「有用な選択肢」 http://www.jiji.com/jc/article?k=2017031001233&g=eco