レベル11
Published by 松原幸行,
レベル11とは,レベル10(普通)少し超えるものという意味で,また利用したくなる買いたくなると思わせるサービスや商品のことを指す.
実際に測定して11とか12というようなものではなく,10を少し(1だけ)超えるという意味だ.現在は商品サービスの出来が良くなって,「良い」が普通になっている.だからレベル10では意味がなく,レベル11でないとダメなのである.あるクリニックの話(スタッフが揃ってお見送りしてくれる[1]),ある記念品の話(記念品に招待者の名前が印刷してある[2]),筆者が遭遇したあるカフェでの出来事(レシートにメッセージが手書きしてある:画像参照)などである.「すごいサービス」()を実現するのはなかなか難しいが,これらは今すぐできるレベルである.
レベル11の実現は,やはりフロントエンドの人々(接客担当など)に依存する部分が大きいが,開発メンバーでもできなくなはない.複合機などで,処理中の時間を退屈しないように待機画面でクイズを出したりCG動画を再生したりはすでに行われているが,まだ洗練されているとは言えない.ゲームアプリやパチンコ台の待機画面は洗練しているし退屈させない.やはりただやれば良いというものでもない.
デモ・プレゼンテーションにおけるレベル11とはどんなものだろう.綺麗な制作パネル以外に動画を組み合わせたりスキット(寸劇)を取り入れたりすることは行われているから,もっと後味を考えなければいけないのかもしれない[3].フライヤーなど紙の配布物は,状況によっては邪魔になるし喜ばれるとは限らない.筆者が過去に行なっていた,提案のあらましと問い合わせ先を明記した名刺大のカードを用意するのは,意外と良いかもしれない[4].このカードを,デモを見てくれた人に渡すのだ.
セミナーにおけるレベル11はどうだろう.この場合は,紙の資料配布は有効かもしれない.どのセミナーでも資料配布して欲しい,などの声は聞く.ただ,講話の内容はやはりノウハウだから,全資料を配布するのは抵抗がある.どうせ配布するならスライドシェアで公開するという手もあるしその方が喜ばれそうだ[5].講話の後のQAのやり方はもう少し工夫できそうだ.
レベル11のサービスはどの分野でも実行可能であるし,サービス利用者の共感も得られやすい.ひとりよがりにならないことに気をつけて,もう一工夫するのも楽しいものである.
筆者撮影
[1] 「お見送り」だけでお客さまが急増したある歯医者さんの話 https://diamond.jp/articles/-/178361?display=b
[2] まだ商品に触れてないのに,もう引き込まれた https://diamond.jp/articles/-/180192?utm_source=daily&utm_medium=email&utm_campaign=doleditor
[3] 後味は,コラム「すごいサービス」を参照のこと
[4] 名刺サイズの「会社紹介カード」のデザイン(両面)の仕事 https://www.lancers.jp/work/detail/1596339
[5] SlideShareトップページ https://www.slideshare.net