SIGについて

SIGという言葉はご存知だろうか。Special Interest Groupの略で、“特定のテーマの下に集まり活動する、専門家による情報交換や共同研究の場"である(1)。私は「感性SIG」と「SF映画SIG」に参加しており、SF映画SIGでは主査を担当していた(昨年、神奈川大学の飯塚先生に交代)。

SIGは、スケールアウトの一形態である。社会学の世界でいう「自己組織化」であるとも言える。SIGでは、テーマを公開してメンバーを公募し、参加者全員で討議したり情報交換したりする。研究の場合は、輪講会(2)という形式が多い(輪講会とは書籍を分担して読み要旨と感想を述べ合いながら内容を集団的に解釈すること)。研究とはとらえず、勉強会の位置づけとする場合もある。

手順を簡単に言うと、
主査となる人がテーマと趣旨をまとめて参加者を広く募集する。
②集まってテーマ/趣旨を確認し、調整の上確定する。
③活動方法を決める。
④活動を開始する。

SIGによって③の方法はさまざまである。感性SIGでは、毎回知見者を招いて講義を受け、それをネタに討議していた。SF映画SIGでは、各自が同じ映画を事前に観て特徴的なシーンを抽出しエクセル化して持ち寄り、それをネタに討議していた。また討議結果から、さらに4, 5項目の特徴をまとめ、小グループによる分析も加えた。①の募集であるが、最近はFacebookなどSNSを活用するケースが増えてきた。現在も募集が活発に行われている(3)。

SIG活動は、討議し分析し成果をまとめることがゴールというわけでなく、母体となる学会などの場で報告や論文投稿するなど、成果を共有すべきと考える。私は、HCD-Netのフォーラムで報告し論文投稿も行った。

SIGは、あくまでも期間限定のテンポラリーな組織であるが、所属学会内での部会化やNPO化など、公式な組織とする場合もある。なお、公募せず、参加人数を制限したりする場合は、SIGとは言わず、単に「勉強会」と言った方がいい。SIGは、あくまでもオープンな参加形態としたいものである。


"studio_ease"のインスタグラムより引用(https://www.instagram.com/p/Bhodh82n-I6/?hl=ja&taken-by=studio_ease)

参考情報
(1) SIGとは https://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/sig.html
(2) 輪講 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/輪講
(3) SF映画SIGの公募ページ https://www.hcdnet.org/research/event/sfsig.html