ジョナサン・アイブの起業

今日の「Designer News」で、アップルの最高デザイン統括役員(Chief Design Officer)のジョナサン・アイブ(Jonathan Ive)氏が年末にアップルを退職し、自身のベンチャーを起業するというニュースが入ってきた[1]。ベンチャーの名称は「LoveFrom」といい、2020年から操業を開始するそうで、当面はアップルがメインクライアントのようである。

最高責任者のティムクック(Tim Cook)氏は『インハウスデザイン組織の「進化」である。』と述べており、インハウスデザイナーとLoveFormが連携し従来通り仕事をしていくとしている。今回の決断は、3月に発表されたアップルの新戦略「Beyond the iPhone」が背景にあると思われる[2]。

「Beyond the iPhone」では、収益の6割ほどあるサービス事業(ビデオやニュースのストリーミング)をより強化していくとしており、相対的にデザイン部門の縮小とかアウトソーシングが増えていくであろう。その辺の事情を鑑み、社内での発言権の低下を危惧したのかもしれない。アウトソーシングの方向であれば、LoveFormがその受け皿となることも十分考えられる。

LoveFormの目指すものは現時点では不明であるが、アップルから外に出ることで、「アイブデザイン」の影響力をさらに展開していくことが可能となる。LoveFormの今後に注目したい。

By Marcus Daweshttp://www.marcusdawes.commarcus@marcusdawes.com - Contact us/Photo submission, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=19277958

参考情報
[1] Financial Timesのニュース> https://www.ft.com/content/947e557a-98a8-11e9-8cfb-30c211dcd229
[2] statistaのニュース> https://www.statista.com/chart/13710/apple-revenue-by-product-group/