ビジネスとアート
Published by 松原幸行,
最近,ビジネスにもアートが必要だ,との話題をよく目にする.この種の意見をクリエイターや起業家が盛んに言っている[1].ビジネスシーンでアートを取り入れる効果はいくつかある.
- 気分転換できる.
- 右脳が刺激される.
- 殺風景な印象が無くなりなんとなく華やいだ気分になる.
- 会話のきっかけになる.
- コンセプト形成に影響を与える,etc.
これらは次の3つのカテゴリーに分類できる.
- オフィスでアート作品を見る・触れる.
- ビジネスの中にアート感覚を取り入れる.
- アートを通じて感性を養う.
1つ目は単純である.オフィスの中にアート作品を置くようなイメージである.もしオフィスの中にアート作品を飾りたいなら「レンタルアート」が良い.毎月,適当なアート作品を選んで着せ替えてくれる[2].私も経験あるが,アート作品があると確かに目がいくし気分転換になる.これは,けっこう即効性もある.観葉植物を配置するのも良いが,意外と飽きてしまう.コストを意識して造花などにすると,むしろ逆効果でもある.アート作品も好き嫌いがあるが,1ヶ月単位で交換するのであれば,我慢できる.ゼロックス時代には,居室内や廊下,会議室などに,20号程度のリトグラフを飾っていたが,確かに気分転換はできていた.
2つ目は,例えばアイディア出しに使用するメソッドカード[3]にアート性の高い画像などを混ぜておくとか,ブレインストーミングのテーマをコラージュで表現するとか,1よりも積極的に取り入れるイメージである.IDEOのメソッドカードやツールキットは,カード自体にアート性が高く,右脳を刺激するように意図されている.
3つ目については,仕事の中にアート作品を作る時間を設けてはどうだろう.研修の一環と考えても良いし,ペルソナを粘土や3Dプリンターで立体的に作るとか,工夫次第で色々できそうである.
クリエイティブ脳を養い[4],クリエイティブに発想するためには豊かな感性が必要不可欠である.ところが,この肝心な感性を養うということが,各自に任されているのは片手落ちであるとも言える.日常的な研修としてアートに親しむことを取り入れるのは一考に値する.勿論,一人ひとりのレベルでも,オフタイムに絵画やイラストを描いたり,良いアート作品に触れたりしたするのは良いことだ.
アートが全てでは無いが,ノーベル賞受賞者はアートを趣味とする比率が高いとも言われている[5].ビジネスプラクティスにおいて,アートについて,もっと考えても良いような気がする.
"turningart"さんのインスタグラムより引用(https://www.instagram.com/p/BrQznlMAJgm/)
参考情報
[1] ビジネスとアートに関する情報源>
[2] レンタルアートサービス(参考)「Casie」> https://casie.jp/rental/?gclid=CjwKCAiAu_LgBRBdEiwAkovNsMSQ2L6hMh9UtMijYK5OxL76zERir3auBYUmqvfO4eUh07evKrVZAxoCLJwQAvD_BwE
[3] メソッドカードに関する情報源> https://hideyuki-matsubara.postach.io/post/mesotsudokadoniguan-suruqing-bao-yuan-url
[4] 大企業勤務のデザイナー> https://hideyuki-matsubara.postach.io/post/da-qi-ye-qin-wu-nodezaina
[5]「ノーベル賞を獲る人になぜか共通する「趣味」」> https://toyokeizai.net/articles/-/253144