デザイン・システムを活用する
Published by 松原幸行,
いま「デザイン・システムの開発」が課題である。
組織が動いているということはそれなりに仕組み(システム)があるからに他ならないわけだが、きちんと意識して活用し生産性をあげるためには、関係者が見えるかたちでシステムが構築され、見える化されていることが重要である。「見える化」は「システムの改善や発展」をうながす。
スピードが求められる時代に分厚い書類を読んでいる暇はない、という批判的な意見も確かにある。だが実際は逆である。
人によるバラツキを無くしたり試行錯誤する時間を減らす。つまり効率化してスムーズな仕事の流れをつくり関係者間のブレを無くしクリエイティブな仕事により多くの時間をあてるためにも、デザイン・システムは役に立つ。
今後進む人材の流動化においても、新人材は開発の仕組みを早期にキャッチアップして戦力とならなければならない。
また商品開発への関与者が多ければ関係者間の誤解やコミュニケーション・ミスが致命傷となる。そうないために会議や打ち合わせを頻繁に行うと、今度は生産性が悪くなる。
デザインシステムはそのような悪影響悪循環を未然に防ぎ問題を取り除き同時に生産性をあげることのできるツールでもある。
今回はデザインシステムとして整備すべき項目とポイントを整理してみる。
リストについては以前もコラム「オープンソースのデザイン・システム・ガイドライン」で紹介している。
デザインシステムの大項目は次の通りである。
- デザインランゲージ
- デザイントークン(カラー、ロゴ、タイポグラフィー)
- コアコンポーネント
- デザインツール
- プロジェクトマネジメント(ロードマップとマイルストン、プロセス、コミュニケーションの方法など)
デザインランゲージの中には、背景となるデザインのビジョンや競合の定義、当面のデザインテイスト/スタイルなど(デザイン戦略と言ってもいい)などが書かれるへきである。
これらは2以降の「Why」にあたる。
2と3はいわゆるガイドラインである。ただし粒度については事業領域毎、メンバーのスキルに応じてさまざまとなるてあろう。
その他詳細についてはコラム「Build better design systems」を参照願いたい[1]。
「ガイドライン」と言うとツールの意味合いが強くなるが「システム」というと仕組みそのものである。
システマチックな取り組みは成長を促すこと間違いないので、是非一度試してみてはいかがか。
Si Griffiths - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=24380850による
参考情報
[1] 『Build better design systems』 - https://designsystemchecklist.com/