ホワイトカラーの生産性改革

 電通の社長辞任のニュースで思いました。これは問題のすり替えだなぁ。何のために社長は辞任するのでしょう。何も解決しないです。事件後に改革しているといっても実態は変わっていないと、社員の方々もそう感じているようです。この種のギャップはよくあります。社会的には何となく責任を取ったように見えますが、真の改革をして問題を解決しない前に辞任しても、責任は果たしていないと言わざるを得ません。経営的には利益を落とす施策は選択肢になり得ない。従って人も増やせない。人件費が増えて利益を圧迫しますからね。いわゆる効率化も既にやっていて、これ以上手がない。では質を犠牲にして納期に間に合わせるのか。でもこれをした企業は、社員のモラルを下げるかもしれない。従業員満足度(Emproiment Satisfaction: ES)が一番大事だと言われている時代に、モラルを下げると、負のスパイラルになって、結局、売上げ減になります。週勤4日にするとワークライフバランスが良くなり、かえって生産性が上がるという説がありますが、この様な施策がまさに改革だと思います。株式会社武蔵野の、残業時間を56.9%減らして過去最高益、というV字回復を、どう理解するのでしょうか。Basecamp社は夏だけ週勤32時間にしている様です。またリモートワークを推進したりオフィスを改善したりして、ESも向上する努力をしています。これはGoogle社なども同じです。でもこのような改革は、成否が読めず賭けのようなもので怖くて踏み込めない、と一般の経営幹部は考えるようです。ホワイトカラーの生産性改革は、至難の技ですね。


(画像出典:Creative Commons at Flickr http://u0u1.net/FBAu
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参考
- 週勤4日にすべき理由 https://www.google.co.jp/amp/www.lifehacker.jp/amp/2016/09/160929four_day_work.html?client=safari
- Basecamp https://m.signalvnoise.com/employee-benefits-at-basecamp-d2d46fd06c58#.mmll6f5l9
- 株式会社武蔵野 http://diamond.jp/articles/-/109805