コンディメントバーのUX
Published by 松原幸行,
スターバックスなどに置いてある「コンディメントバー」。シナモンパウダーやミルクやシュガーがセットしてあり、ドリンクやフードをカスタマイズできる[1]。今、このコンディメントバーのエクスペリエンスについて、静かな論争が起きている。
発端は、ある利用者が、注文したドリンクを飲み終わった後にこのコンディメントバーでミルクを入れて、おかわりよろしく無料で飲んでいることを自慢した事にある。
それは良いアイディアだとか、自分は飲み終わって店を出る時にミルクを入れてテイクアウトしたとか、スタッフに聞いた裏技があるとか(その技については後述する)、様々な声が上がっている。スターバックスのワンモアコーヒーサービスを利用し150円プラスして4杯分飲む方法を伝授したWebページなどもある[2]。
そもそも、コンディメントバーはお店の好意である。これをドリンクのおかわりよろしく利用するのは、店にとっては大変な迷惑であり損害でもある。
スターバックスなどは、コンディメントバー自体が「スターバークス体験」というUX戦略の一部である。もし過剰な利用が相次ぐと、このサービス自体を止めざるを得なくなるかもしれない。そうなると、まさにサービス崩壊と言っていい。
東京オリンピックを控えた「おもてなし」気運の中で、日本独自のユーザー体験が性善説ベースで次々と生み出されている[3]。そんな中で、今回のように想定外な使われ方をすることもある。場合によってはそのためにサービス提供を中止せざるを得ないこともあるだろう。
回避するアイディアとしては、ポスター等で利用者に節度を促す情報提供を行うとか、イエローカードを用意してやんわり注意するとか、色々あるだろう。今の監視カメラ技術を使えば、マナーの悪い利用者を特定してその画像をイエローカードに貼ることもできる。いかがであろうか。
ところで、店員から聞いたとされる裏技であるが、次のようなものである。
・カフェオレを飲みたい時に、ショートサイズのブラックコーヒーをトールサイズのカップに入れてもらう。
・コンディメントバーで、ミルクを多目に入れると、トールサイズのカフェオレになる。
注文時に頼めば、ショートサイズの飲みものでもトールサイズのカップに入れてくれるそうだ。これは店員さんからの提案だそうだから許される範囲なのかも(^^;)。
Condiments at the City Diner in Orlando, Florida by Visitor7 - Own work, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=32188208
参考情報
[1] 「スタバ【コンディメントバー】無料カスタマイズに使えるアイテム一覧」> https://yamaguchi-coffee.com/condiment-bar
[2] 「マネしちゃだめ!?スタバの無料ミルクで長時間&安く利用する方法」> https://wating-for-1.net/starbucks-milk/
[3] 「【体験型事例】外国人が殺到するコト消費とは?」> https://addd-link.co.jp/2017/4102/