コトの思考方法
Published by 松原幸行,
別宅の書物を整理していたら,1993年に某学校でデザインの授業を持っていた頃のシラバスが出て来た.
24年前,デザインで「モノからコトへ」が言われ始めた頃で,自分なりに考え仕事で実践していた.つまり「ナイフ」という風にモノで考えないで「切ること」というコトで考えるということだが,「動詞的考察」とはモノからコトへ思考を変換する為のきっかけのようなものだ.
ちょっと分かりにくいので,「動詞的考察」を「動詞で探す」と言い換えてるあたり,学生さん向けに平易にしようとした後がうかがえる.「モノからコトへ」も今では既に定着しているが,当時はデザイン界全体が模索していた.昨今言われるUXデザイン風に捉えれば「切る体験」という事だろう.そしてUXとしては,その体験で得られる心の充足を重視するので,コトから更に一歩進んでココロと言えるのかもしれない.つまり「コトからココロ」である[1].
今までと違った体験からは,今までと違う感動とか共感を得るので,そのココロを問題にしないと単に奇をてらった体験となってしまう.ゲームのように,「自分"が"楽しい」ではないし「人を楽しませる」でもない.「共に楽しみつつ社会的な見出す」とか「自分だけの価値を伝え合う」のように,より高次な価値を発見し提供していかないと刺さらなくなっていると言える.
それにしても当時使っていたJ-Star[2]のフォントは懐かしい(^^).
(画像:筆者撮影)
参考:
[1] 流通と C・私の視点「モノ・コト・ココロとは!!」 http://www.dynamic-m.co.jp/pdf/pdf-shiten/shiten1000-1999/1692.pdf
[2] Xerox Star https://ja.wikipedia.org/wiki/Xerox_Star