情報収集のツール
Published by 松原幸行,
オフィスでは、長い間、紙を使ってきた。「情報収集」もご多分に漏れずそうである。紙による情報収集だ。それには次のようなものがある。
- 新聞の切り抜き
- 会議用の紙資料/議事録の保管
- Webページのプリントアウト
- メールのプリントアウト
スピード重視の世の中である。これからの情報活用は今まで以上に簡略化される。簡略され、情報は収集・整理・保管をすっとばし、情報に接してその都度解釈したものを即、次の思考に活用するようになる。今の議論と次の議論はテーマや目的は違えど、参加者その人の中ではつながっているのだ。
ここでの「解釈」は、発想する事である[1]。これを「一次解釈」としよう。そしてこの一次解釈では「感性」が大事となる。良い感性は良い解釈につながる。
会議のシーンを見てみよう。会議での自身の発言と、他者の意見の傾聴を通じて得た概念により、当初の解釈(会議以前にあった発想)は醸成され、新たな解釈(二次解釈)となる。
これらを考えていくと、一次でも二次でも、解釈をアーカイブする良い方法を見つけることが重要となる。記憶力が並外れていれば全てが脳内にアーカイブされ、必要な時に瞬時に呼び起こせる。ところが現実的にはなかなかそうもいかない。しかも解釈をアーカイブした際に、新たな編集が加わることもあるので、「解釈の外在化」は大事だ(解釈の1.5次化である)。
私は電子メモと物理メモの二つを使用している。
- Evernote
- A6サイズの雑記帳
Evernoteは、メモした日時・場所なども記録され便利である。検索機能も優れているし、PC/Web連携もスムーズにでき、とても便利である。
一方、持ち運びできる小さな雑記帳は使い勝手が良い。A6サイズのノートはサイズ感が良いが、外で使うなら、ハードカバーの「測量野帳」というのも、値段もリーズナブル(¥186)で良い[2]。
電子と物理メモはどちらが良いということは無くどちらも必要である。感覚記憶は1〜2秒、短期記憶は約20秒、ワーキングメモリと言われる作業記憶(近時記憶)は数分〜数日しか保持できない[3]。アイディアは寝ていても閃くので、自分に合った良いメモツールを見つけ、肌身離さず持ち歩いて(寝るときは枕元に置いて)いる。
Elekes Andor - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=79429140による
参考情報
[1] 『UXデザインとしての発想法』で詳しく触れている。
[2] 理想のメモ帳を追い求めたら、アウトドアスペックな業務用アイテムに行き着いたよ https://www.roomie.jp/2019/03/498355/ 測量野帳(上質紙) https://www.monotaro.com/p/3467/9477/?utm_medium=cpc&utm_source=Adwords&utm_campaign=246-833-4061_6466659573&utm_content=96539050923&utm_term=_419857551521__pla-879055536175&gclid=CjwKCAjw5cL2BRASEiwAENqAPnaG-ECbPE2L2XA9mHQtUQyJ_upa0uBLVzvkqdlBw5YUKVp3fxjQCRoCsAAQAvD_BwE
[3] 心理学では、記憶を「感覚記憶」「短期記憶」「長期記憶」の3つに分類している。臨床神経学では、「即時記憶」「作業記憶(近時記憶)」「遠隔記憶」の3つに分類している。記憶の分類 https://bsd.neuroinf.jp/wiki/記憶の分類#.E8.BF.91.E6.99.82.E8.A8.98.E6.86.B6