書籍の出版
Published by 松原幸行,
2018年に書籍を単著で出版するので,その手順や要領について記録として書き残します.
出版には,大きく自費出版と執筆依頼に基づく出版の2通りがありますが,ここでは後者の方について解説します.執筆依頼に基づくと言っても,企画そのものを「こんなものを書きませんか?」というように出版社から提示されて書く場合と,著者となる者が「書籍の企画」をまとめ,提案する場合とがあります.いづれにしても企画は次の様な内容をA4で2枚位にまとめ,出版社に提案します.
- 著書の名称案
- 概要
- 狙いとする読者層
- 章・節の構成案(変わっても良い)
- 執筆期間(発売時期の目安)
- 実際の執筆例(一部),など
実際には,事前にある程度書き溜めたものがあることが多いので,まずは,どの章や節や項でも良いので執筆内容として合わせて提示するのも良いようです.出版社では,大抵,出版会議などを定期的に行っていますが,このような会議で,提案された書籍企画案を検討し,出版するかどうかを判断します.書籍の内容を膨らませた方が良い場合は,膨らませる内容と他の共著者の提案があります.また,書籍名や総ページ数,章構成への助言なども提示されます.これらが整ってから,正式な執筆開始となりますが,その執筆に合わせて「執筆の手引き」なども提示されます.原稿料は印税扱いとなり,最初は書籍価格かける部数の10%(書籍価格が3,000円で1,000部であれば30万円.出版社によって差あり)程度の規模となります.
原稿は,文字数の目安があるので,その目安をもとに本文・図・表などを執筆していきます.図や表や下書きを書き,自分で清書するか.またはイラストレーターに依頼するか出版社で内作してもらいます.原稿の提出はテキストアプリのデータで良いのですが,編集など後々のことを考えると,MS Wordなど,オフィス文書ソフトを使用した方がベターです.但し,書体や書式は特殊なものにせず,ディフォルトのままにします.
原稿ができると,章・節構成を見て,組版のデザインを作成します.組版のデザインが決まったら,そこに原稿を流し込みます.次に校正工程に移ります.校正は,校正1(節の追加や削除もあり得る),校正2(誤字脱字の最終チェック程度)などがあります.その後印刷工程に進みますが,ここでも印刷校正があります.まず,印刷会社の内部で行う内校があり,その後,著者の最終確認として印刷校正を行います.
出版は,モノづくりと同じで企画から製造(印刷・製本)まで一通りあり,商品を生みだす喜びを感じますね.
筆者撮影(校正1の表紙)