2019年のUI/UXトレンド
Published by 松原幸行,
1月のDesigner Newsで公開され、半分書いた状態で放置していた。2019年もすでに半分経過しようという時期であるが、一応コラム化しておく。
インドのcmarixという会社の記事である[1]。記事によると、トレンドは全部で11件であるが、今回はその中から3つを選んで紹介する。ただし翻訳ではないでご注意を。
1．UXのパーソナライズ
UXのカスタマイズについて最近よく目にするが、海外でもUXをいかにカスタマイズ、パーソナライズして提供するかについての関心は高いようである。かと言って、一人ひとりのユーザーに個別にUXを提供できるわけではないので、そこにはおのずと適度適切な落とし所がある。ミニマムなのは、UXのエレメントとしてのUIにカスタマイズできる機能（フォントサイズとかスクリーンのスキンデザインなど）を持たせることであり、マキシマムには、オプショナルなサービスを用意しておいて、そのオプションを選択できるようにすることだろう。つまり組み合わせのサービスである。この場合はサービス連携（異なるサービスをシームレスにつなぐ）技術が必要である。
cmarixの指摘として面白いと思うのは次の2つである。
1つは、ユーザーからのフィードバックをマシンラーニングで分析して、UX開発にフィードバックする。
2つ目は、ユーザーコンタクトにチャットボットを取り入れて、ガイダンスを行う。
最初のアイディアでは、今後AI技術が発展すると、マシンラーニングで得たユーザー情報を基にして、サービスのカスタマイズがある程度できるようになるのかもしれない。「お問い合わせ」にチャットで対応する方法はOutlookも、モバイルappに組み込んで提供しているが、"無視された感"が無いのは良い点である。それなりに個別対応してくれている感じもする。
2．意図的なアニメーション（モーションデザイン）
これは、画面がアニメーティブにパタパタ切り替わるという単純なものを指しているのではなく、モーションデザインと言い換えても良いものである[2]。モーションデザインはGoogleのマテリアルデザインが先行しているが、確かにストーリーテリング性が高く、有効なものであろう。最近、セブンイレブンのコーヒーマシンがボタン操作からタッチパネル操作に変わったが、モーションデザインがふんだんに取り入れられていて、小気味良さを感じた[3]。いずれにしても、"面白い動き"から、"インタラクションに寄与する動き"にまで成熟することが求められる。
3．ボイスインタラクションの進化
ボイスサーチはSiri以来ポピュラーになりつつあるが、この傾向はさらに進化するであろう。ボイスチャット、ボイスコントロール、ボイスコマンド、ボイスサーチなど、ボイスインタラクションはますます成熟する。読み上げてくれる小説「オーディオブック[4]」などもあるように、ニュースやガイダンスが音声で提供されるようになると、UX全体がボイスインタラクションで満たされるサービスも夢ではない。
その他のトレンドを列記すると、「自己説明的なイラストレーション」「3Dインタフェースとディープフラット」「シュールなデザイン」「UXライティングとUXエディティング」「ボタンレスUI」「オーバーラップによる強調」「初期画面にヒーローを登場させる」「実装を意識したデザインツール」などがある。
ビジュアルデザインの範疇のものから開発ツールまで幅広いが、シュールなデザインやヒーローイメージなど、なかなか面白い視点もある。ご興味のある方は是非コラムをご一読を[5]。
By Aman_Daharwal - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=68937058
＜参考情報＞
[1] cmarixホームページ ＞ https://www.cmarix.com/know-us.html
[2] 「未来のアートを予感させる｢モーションデザイン｣の最前線『Motion Plus Design』」＞ https://www.fuze.dj/2017/03/motion_plus_design.html
[3] 「セブン-イレブンの「セブンカフェ」新型マシン発表 操作はタッチパネル式に」＞ https://www.walkerplus.com/article/167061/
[5] コラム「UX/UI Design Trends: What's In Store for Us in 2019?」＞ https://www.cmarix.com/ux-ui-design-trends-whats-in-store-for-us-in-2019/?utm_source=DN