デザインのキャリヤを養う4つの作戦

今回もUX Planetの記事を参考にコラムを1つお送りする[1]。翻訳ではないのでご注意を。

さて今回は、デザインのキャリアをいかに養うか。言葉を変えれば、キャリアを養うための作戦とはどんなものか、というテーマである。

デザインのキャリヤは単に経験を積むだけでは養えない。経験も重要な要素だが、キャリア形成に有益な経験が全てできるわけではない。経験というものも出会いであり、予測できないからだ[2]。

限られた範囲で、経験を生かしつつ、キャリアを確実に形成していく戦略は、次の4つである。

  1. クリエイティブ脳を養う
  2. 興味を持ち続ける
  3. 周囲からインスピレーションを得る
  4. リーダーの視点で考え行動する

クリエイティブ脳とは、創造的な発想をうながしポジティブな思考をめぐらす土台となるものである(詳しくはコラム『クリエイティブ脳について』を参考にしていただきたい)。クリエイティブ脳を養う方法についても書いている。

チームワークだクリエイティビィティを高めるにはルールで縛りすぎないことが大事である。お互いに自主性を重んじ、尊重しあう姿勢が、チームとしてのクリエイティビィティを形成しやすくする。

興味は「成長」の源泉である。興味があるから好奇心も湧くし楽しいのである。逆に言えば、興味の無いところに挑戦はないから、得るものもないし楽しさも味わえない。

「新しい知識の獲得」という点についても、興味がないということは獲得意欲もないので、新しい知識は何も得られないということになる。最初は興味のあるものに注力するだけでも良いが、慣れてきたら興味を抱く工夫も必要になる。その1つのヒントは、「自分ならこうする」という目でみてみることである。

UXデザインへの興味も尽きることはないはずだ。1つの方法としては、オンライン学習コースを利用してみるのも良いだろう。「Udemy online」ではUX分野を検索すると1646件ものコースが用意されている[g]。

デザインのキャリアにおいては、発想ワークをいかに効果的に実践できるかということも重要である。「新しい発想」には新しいインスピレーションが必要である。これは、<無からの発想というものは存在しない[d]>からである。無から発想できないということは、既にある"何か"からインスピレーションを得て(言葉を変えれば、感性的な刺激を得て)それを"発想の基"とする、ということだ。

インスピレーションを得る糧として自分なりの対象を持つことも有効である。例えば「SF映画」などは手っ取り早い。また、TED onlineは世界中の著名なスピーカーの話が聴けるし、内容だけでなくプレゼンテーションのスキルを磨く意味でも参考になる。定期的にチェックすると良いだろう。

最後の「リーダーの視点で」ということだが、これはリーダーとしての考え方や行動を身につけるトレーニングであるととらえれば良い。

・組織のビジョンや目標、課題、施策などを自分なりに考えてみて、上司に提案し議論してみる。
・チーム全体のクリエイティビティを高めるための方策を考え実行する。
・自律的な協調行動を心がける。
・自分の目標は確実に達成し組織への貢献度を明白にする。

などを継続的に実践していれば、周囲からもリーダーと認められるようになるはずである。

Dmitry A. Mottl - 自ら撮影, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=6038080による

参考情報
[1] 4 Tips to Grow Your Career in Design - https://uxplanet.org/4-tips-to-grow-your-career-in-design-fa81ecede299
[2] 経験を意図的に行う一つための"予測可能な"方法は「転職」だが、これは別の問題として取り上げる。
[3] クリエイティブ脳については別のコラムを参照のこと -
[g] user experienceの検索結果 - https://www.udemy.com/courses/search/?q=User+Experience
[d] 『UXデザインのための発想法』の1-1節、P3を参照。