危機は新たなサービスを生むチャンス

2008年のリーマンショック。その直後、米国経済はボロボロの状態であった。

そんな中、自家用車の相乗りサービス「ウーバー(Uber)」は2009年に起業された。また、民泊の世界最大手である「エアビーアンドビー(Airbnb)は2008年に起業された。まさに新しいメガサービスは危機的な状況の中でこそ生まれるという様相である。

2020年のコロナ禍にある現在は、まさに危機的な状況である。そんな中生まれる新たなメガサービスとはどんなものだろうか。3の事象の中でヒントを探ってみよう。

無人化
自動運転や無人店舗のみならず、「無人化」や「非接触」はAIやロボット、ドローンなど、新技術を活用する上での良いフィールドとなる。料理を置いて帰る"置き配"(i.e. 出前館)[1]や、ドローンによる配達(e.g. アマゾン)[2]、ロボットによる料理の配膳[3]などなど、人を介さない配達・配膳が出てきているが、「人を介さない」というあり方はこのご時世ではある意味安心感をおぼえる。

『人間の経験を中心に考えたデザイン[4]』というコラムに「共生のレベル」について触れたが、共生のレベル2から4にかけては無人化する中でいかに自然にサービスを提供するかがカギとなるような気がする。

オンライン リアリティー
Zoomを使った会議やセミナーが増えている。これから5Gが普及し一般化すれば、安定したオンラインコミュニケーションが確立するであろう。安定の後は更なる進化としてリアリティーの深化である。これはオンライン上とて例外は無い。

リアルなコミュニケーションを行う中でプライバシーなど非公開としたい部分をどう処理するか、つまり"リアルの中の非リアル"をどうアレンジするかが課題であろう。

新しい住まい方
この5月7月、東京都は転出超過である[5]。つまり地方への移住が進んでいる。なかでも働き世代の若い人達の転出率が高いそうだ。この傾向はリモートワークの普及と共に拡大していく。

地方では人口流出で市街地の空き家が増えシャッター通り化が深刻である。そんな中、山形で行っている「住み替え支援事業」が注目されている[6]。住み替えと共に街の中心部を再開発すれば新しく事業を始めるチャンスも増えてくる。

都心の住まいは"仮住まい"として、週末を郊外で過ごす住み方(デュアラーというらしい)、住まいを転々と替える住み方[7]など、住まいのあり方も多様化している。地方移住のノウハウが共有化されれば、まず好きな土地に居を構えて、その後どのように収入を得るかを考えるようになるであろう。

上記の3つ以外にもW/コロナの時代の中で注目すべき事象はあると思うのでまずそのあたりを整理し、モノコトのあり方やコミュニケーションのあり方などを拠り所にサービスを模索してみると良いのではないか。


わたらせみずほ - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=89525357による

参考情報
[1] 広がる「置き配」、前代未聞の危機で生まれる新たな外食サービス - https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00100/040800011/
[2] ドローン配送の事例 - https://viva-drone.com/delivery-drones/
[3] 新型コロナで苦境の飲食店、配膳ロボットの活躍の場は? - https://www.sbbit.jp/article/cont1/37910
[4] 人間の経験を中心に考えたデザイン - https://hideyuki-matsubara.postach.io/post/ren-jian-nojing-yan-wozhong-xin-nikao-etadezain-hxcd
[5] 東京都の人口、7月は再び転出超 - https://r.nikkei.com/article/DGXMZO63189650Y0A820C2EA3000?s=0
[6] 上山市空き家バンク・住み替えバンク - https://www.city.kaminoyama.yamagata.jp/soshiki/12/kaminoyama-akiyabank.html
[7] 「全国住み放題「ADDress」で、日本中にあなたの田舎をつくろう」> https://www.makuake.com/project/address/